4月からの新生活に備え、3月や4月に引っ越しをする人は非常に多いです。

毎年2月下旬から4月上旬は引っ越しのハイシーズンで、引っ越し料金も跳ね上がります。中には通常時の倍の価格を提示されることも。

一番良いのは他の時期に引っ越すことですが、学校や会社の都合でこの時期に引っ越しせざるを得ない人が多いのも事実。

どうにかして少しでも安く繁忙期に引っ越しすることはできないのでしょうか?

3月・4月の引っ越しは高い

進学や就職、転勤などで転居を行う人が多いため、3月から4月にかけては引っ越し需要が急激に高まります。

最近では引っ越し業界の人手不足の関係で、ピーク時は引っ越し業者を選ぶのではなく、客が選ばれる側に回るほどにもなっています。

安く引っ越すどころか、確実に引っ越しできるかどうか危うくなるケースもあります。

無事に業者を捕まえ、日程を決めても引っ越し料金は高額。需要が供給を上回る勢いになるため、引っ越し業者も人員を増やしたり残業を増やしたりして対応しています。

新生活に合わせて転居しなければならない人が多いため、料金を上げても十分に契約は取れます。

短期間に需要が集中する以上、値段が高くなってしまうのは自然なことです。

繁忙期に引っ越しするならば、通常期よりもお金がかかってしまうことは覚悟しなくてはなりません。

繁忙期の引っ越し料金の平均

年によって違いはありますが、繁忙期の平均価格はおおよそ以下の通りです。

単身引っ越し 荷物少なめ

15km未満:36,288円
50km未満:39,801円
200km未満:53,334円
500km未満:48,848円
500km以上:61,875円

単身引っ越し 荷物多め

15km未満:47,562円
50km未満:49,593円
200km未満:60,373円
500km未満:74,459円
500km以上:81,935円

家族2人

15km未満:80,860円
50km未満:81,918円
200km未満:104,663円
500km未満:115,308円
500km以上:148,302円

家族4人

15km未満:115,575円
50km未満:114,034円
200km未満:150,819円
500km未満:182,315円
500km以上:205,932円

これらはあくまでも平均価格のため、荷物の量が多かったり、オプションを付けたりすればもっと高くなります。

また、人気のある土日や祝日の引っ越しについても値段が上がる可能性が高いです。

引っ越し全体の平均で考える場合、3月の平均価格は同一都道府県内で122,137円。

県外の場合は232,978円です。

一方、6月の料金は同一都道府県内で77,540円。県外で123,780円です。

荷物量や距離にもよりますが、時期が変わるだけで10万円もの差があります。

安くしたいなら時期をずらすのが一番

引っ越し料金は混雑状況によって大きく変わります。

3月から4月にかけては多くの引っ越しが集中するため、他の月の引っ越しよりも数万円高く付きます。

引っ越しを安く済ませるために一番有効な方法は、繁忙期を避けることです。

それだけで簡単に節約できます。仕事や学校の都合でやむを得ない人以外は別の時期にしましょう。

一般的に、6月や11月、1月は引っ越し料金が安くなりやすいとされています。

繁忙期を避けるメリットは値段だけではありません。

不動産屋も引っ越し業者も時間にゆとりがあるので丁寧な対応が期待しやすいです。

良い物件を探したり、価格交渉をじっくり行ったりする余裕もあります。

どうしても繁忙期に引っ越ししなければならない場合は?

時期をずらせばいいというのは簡単ですが、自分の都合で引っ越しのタイミングを決められないという人は多いもの。

どうしても3月・4月に転居しなければならないという人が多いからこそ混雑するのです。

ただ、繁忙期に引っ越しする場合でもタイミングによって料金は微妙に違います。

繁忙期と呼ばれるのは2月下旬から4月前半ですが、その中でも混雑するのは3月の後半や土日祝日。

それ以外の日は競争率が低めです。

繁忙期に引っ越しする以上多少高い料金を支払うことになるのは避けられませんが、それでも日程を選べば価格を抑えることはできます。

狙い目は2月後半か4月前半

4月の新生活に備えて引っ越ししたい人が多いため、3月よりも2月後半や4月のほうが空いています。

3月末から4月に1~2週間ずらすだけで引っ越し料金は大幅に下がります。

もし可能であれば、4月下旬にずらすことができれば通常時に近い金額で引っ越しできます。

4月のはじめ頃は3月に引っ越しそこねた人がまだたくさん残っているからです。

4月後半に引っ越しするためには?

4月後半に引っ越しするのでは間に合わないと思うかもしれませんが、工夫次第で1~2週間ならタイミングをずらすことは可能です。

引っ越し前の部屋から通う

まず考えるべきなのは転居せずにやり過ごす方法です。

短期間であれば、片道2時間ぐらいまではなんとか我慢できる範囲です。

安いホテルに泊まる

前の住所から通勤・通学が難しい場合、一時的に格安ホテルなどを利用する方法もあります。

宿泊費が引っ越し代の差額に満たないようなら検討の余地ありです。

最低限の荷物だけで引っ越す

家具や家電などを運ばす、必要最低限の荷物だけでとりあえず新居に引っ越してしまうという手段もあります。

荷物が少なければ料金も抑えられますし、予約もとりやすいです。

引っ越し業者ではなく宅配便や自家用車で運んでしまうという手段もあります。

ただ、賃貸から賃貸に引っ越し、旧居に荷物を残してしまう場合、家賃を二重に払うことになります。

この金額が節約できる引っ越し代を超えてしまっては意味がありません。

不要なものは処分したり、トランクルームを活用したりなどの工夫が必要です。

3月にしか引っ越しできない時はどうする?

どうしても3月以外に引っ越しができないという場合でも、諦めるのはまだ早いです。

3月に引っ越しする人でも、予約をとりやすくしたり料金を抑えたりできる方法はまだ残っています。

●3月前半に引っ越しする
引っ越しのピークは3月後半。滑り込みの人が増えるため日程の確保さえ困難になります。料金も業者の言い値です。値引き交渉もほぼ不可能です。
しかし、3月前半であればまだ見積もりを見比べる余裕があります。大幅な値引きは難しいものの、多少なら安くしてくれる可能性が残っています。

●平日を選ぶ
土日祝日は3月前半でも人気です。少しでも安く確実に引っ越すなら平日を選びましょう。

●時間指定はしない
引っ越しの時間は午前か午後を選べるようになっていますが、時間指定はせず、業者に決めてもらいましょう。予約が少ない時間に引っ越しができるため、料金も安くなりやすいです。

●物件が決まってなくても日程を決めてしまう
引っ越し先が決まっていなくても、エリアが決まっているのなら先に引っ越し業者を抑えてしまうのもありです。正確な物件が決まっていなくても移動距離や場所が絞れていれば見積もりは出せることが多いです。
ピアノや大きなタンスなどを運ぶ場合、エレベーターの有無や間口の大きさが料金に大きく影響することもありますが、荷物の少ない単身引っ越しならば物件が決まってなくても料金はさほど変わりません。

3月は安く引っ越しできるかどうか以前に、業者を捕まえられるかどうかが問題になります。

物件が確定するまで先延ばしにしてしまうと、引っ越し自体が難しくなるかもしれません。

●単身パックを利用する
荷物の少ない人は単身パックを利用するのもおすすめです。

単身パックは荷物を入れるカゴの大きさと輸送距離で値段が決まります。繁忙期価格もあらかじめ設定されているため、何の予告もなしに料金が跳ね上がることもなく安心です。
また、一つのトラックに同方向の複数件の荷物を混載するため、トラックを丸々使う引っ越しよりも予約しやすいです。

●荷物を減らす
引っ越し料金の基本は荷物量と距離。距離を変えるのは難しいですが、荷物を減らせば確実に節約できます。荷物が少なければ単身パックを使ったり、宅配便で引っ越ししたりできます。
不要なものは早いうちにリサイクルショップやオークション、フリマアプリなどで処分しておきましょう。

家具や家電は引っ越し先に運ぶよりも、リサイクルショップなどに売って処分し、引っ越し先で新品や中古品を買い直したほうが安くなる場合もあります。大型の荷物は思っているよりも運ぶのにお金がかかります。

見積もりは複数依頼する

繁忙期の引っ越しに限らず、引っ越し前には必ず複数社から見積もりをとることが大切です。

インターネットで平均価格を調べることはできますが、荷物量や混雑状況、物件の状況によって引っ越し料金は大きく変わります。

自分の引っ越しの相場価格は、見積もりを見比べて見なければわかりません。

残念ながら、中には法外な見積もりを出すような悪質な業者もいます。だまされないようにするためには、実際に自分で相場を確かめるしかありません。

見積もりを複数揃える際は、一括見積もりサイトを使用すると便利です。

引っ越しの場合、引っ越し侍やSUUMOが人気です。

一括見積もりサイトを利用すれば、申込みの手間だけでなく、候補となる業者を探す手間も省くことができます。

全国展開しているような大手引っ越し業者については知っていても、小規模ながらも地元で地道に経営している業者については知らない人が多いです。

また、価格だけでなくサービス内容もまとめて比較できるため、最終的な依頼先を決める上でも便利です。

●見積もりが揃ったら価格交渉を
複数の業者の見積もりを見比べれば、正しい相場を掴むことができます。

ここからさらに安くするためには価格交渉が必要です。

ただし、交渉をおこなう相手は一番安い業者ではありません。

最も安い業者は底値である可能性があるため、交渉を行うと相手を怒らせてしまうかもしれません。

交渉の際は、一番安い業者の見積もりを引き合いに出し、同じ程度にならないかどうか聞いてみます。

うまくいけば最安値の業者と同じ値段でよりよいサービスを受けられます。

一括見積もりによって見積もりをとった場合、業者も相見積もりされていることを把握しています。

このような場合、業者側から値引きを提案してくれることもあります。

ただ、繁忙期の場合は値引きを期待しすぎてはいけません。

少しでも安く引っ越しするために

3月から4月にかけては、毎年たくさんの引っ越しが集中します。

もし可能なら、引っ越し時期をずらすことをおすすめします。

どうしても繁忙期に引っ越ししなくてはならないという場合でも、特に混雑するピークをずらせば費用を抑えることができます。

その他にも、休日を避けたり荷物を減らしたりなどの工夫で引っ越し費用は安くできます。

また、引っ越し時期にかかわらず、複数の見積もりを見比べることは重要です。

より安い業者を見つけやすくなりますし、悪質な業者を見抜くのにも役立ちます。

いずれにせよ、繁忙期に引っ越すのであれば早めに行動に移すことが大切です。

ぼやぼやしていると、あっという間に予約でいっぱいになってしまい、身動きが取れなくなってしまいます。